繁殖期・壱ノ月・二十二 フラヒヤ地方ムルバス山麓.
大陸北方を閉ざしていた白い牢獄は崩壊し、大地は生命の息吹に包まれ急速に繁栄する。四ヶ月にも及ぶ封鎖を解かれ、フラヒヤ山脈への登頂が天によって許される時期が訪れた。ジョン・グルールは、まだ雪の残るフラヒヤ山脈麓の平原には不釣り合いな、薄暗い色の鎧を鳴らしながら、新たな生命芽吹く平原を踏みしめた。時刻は早朝、霜柱によって盛り上がった地面を踏み抜くザクザクといった感覚は、遠く東シュレイド王国の首都、ヴェルドに生まれたジョンにとって新鮮な感触だった。しばらくその未知なる感覚を楽しみながら、ジョンはフラヒヤ山脈の登山道入り口を目指す。
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こちらでははじめまして、ですね。連載小説しか読んでいなかったのですが、試しに此方も読んでみた次第です。
最初の感想ですが、これは圧巻の一言に尽きます。
短い尺の中に、連載小説数話分の要領がギッシリと詰め込まれ、読んでいて全く飽きがきませんでした。
ゲーム内の世界観に非常に忠実なのは、流石テルミドールさんと言うべきところでしょうか。
しかし僕が心を惹かれたのは、やはりその重厚でありながら後味の良い、不思議なストーリです。
『白い閃光』と呼ばれるヨシュアの生き様は、本当に格好良かったと思います。キルシェとニコルとの友情、愛情もそうなのですが、人間として筋が通っている、そう感じました。
ハンターとしてよりも、人間として生きることの意味を悟っている語り口に、唸らせられました。
何よりも、主人公をあえて吟遊詩人であるジャックとし、狩りの話を聞き手として聞くというスタイルにしたことも、面白さを押し出した特徴の一つだと感じました。
引用となりますが、
「自分の目に映った彼は、紛れも無く在りし日の『白い閃光』だったし、英雄だった。しかし、彼にとってその異名も、英雄の肩書きも、何ら意味を持たない。彼にとって大切なのは、名声よりも富よりも、愛する家族と帰るべき家、そして居場所であるポッケ村なのだから。
それは……ある意味とても贅沢な人生だなとジャックは思った。」
この最後の締めは本当に最高でした。
自分もまだまだ成長しなければならないようです。
今後とも、宜しくお願い致します。